引越し業者を選ぶポイントの一つとして「標準引越運送約款」をキチンと利用している引越し業者を選ぶことが大事です。
標準引越運送約款は、引越しで良くあるトラブルを事前に防止する為に作られた約款ですが、ここでは標準引越運送約款の基本的な知識を解説していきます。
引越し時のトラブル防止の為にも、ある程度は理解しておきましょう。
標準引越運送約款とは?
標準引越運送約款とは、引越し業者が「公益社団法人全日本トラック協会」に加入することで適用され、国土交通省が定めています。
標準引越運送約款では、利用者が不利にならない様に様々な約款を定めています。ここではその一部を紹介します。
全てを観覧したい人は全日本トラック協会のホームページ内で確認して下さい。
キャンセル料金について
キャンセル料は、引越し前日は料金の10%、引越し当日であれば20%のキャンセル料金が発生します。
追加料金が発生した場合は、事前に説明して了承を得なければいけない
見積りを取ってもらって契約をした後に、「この棚は大きいので、別途5千円かかります!!」と言っても、事前に説明してお客さんの了承を得ていなければその料金を支払う義務はありません。(約款・第19条)
支払い方法は見積書に記載しなければいけない
「クレジットカード払い可」や「現金払いのみ」など、見積書には支払い方法をキチンと明記しておかなければいけません。
クレジットカードが使えることが当たり前の時代になっていますが、引越し業者では必ずクレジットカードが使えるとは限りませんので、見積もりの内容をキチンと確認しておきましょう。(約款・第3条2項5号、第19条1項)
作業員が少なかった場合
例えば、見積書には4人の作業員で引越し作業をすると明記していて、引越し当日に3人しか来なくて、その分引越し時間が延滞してしまうなど、利用者に対して不利益を与えてしまった場合は、1人分の作業料が減額になります。(約款・第19条4項1号)
全ての業者が日本トラック協会に加入している訳では無い
全ての業者が日本トラック協会に加入している訳ではありません。
引越し業者によっては、標準引越運送約款を利用しないで独自の約款を利用している場合もあります。業者が申請を出して許可が出れば独自の約款を使用してもいいのです。
独自の約款を設定している場合は、自由に約款を設定できるので、利用者が不利になる様な約款にして後々トラブルになりかねません。
皆さんがご存知の大手の引越し業者であれば、まず日本トラック協会に加入しているので、自ずと標準引越運送約款を利用していますので、加入の有無に関してそれほど気を遣う必要もありませんが、個人で引越し業務をしている事業所を利用する場合は、見積もりを取る際に、標準引越運送約款を利用しているのか必ず確認して下さい。