引越し当日は、大家や不動産仲介業者の立ち合いのもと、借り主と一緒に部屋の現状を確認して、修繕箇所があれば別途費用を請求されることになります。
しかし、修繕箇所を決定するのは貸し主に一存されているので、業者によりその判断はマチマチです。
借り主側によっぽど知識があるか、強い精神力を持っていなければ、貸し主から「修繕箇所が3つあるので、別途〇〇万円必要になります」と言われれば、おかしいと思っていも支払ってしまいます。（私も払っちゃうかもしれません・・・）
ここでは修繕費用が、私達など借主が負担するのか、それとも管理会社や家主などの貸主が負担するのかいくつかのケースにおいて判断していきます。
原状回復義務について
退去時に起こるトラブルの9割以上は修繕費用に関してです。
そういったトラブルを解消するために、平成10年3月に、当時の建設省がガイドラインとして、借り主に対して「原状回復義務」を制定しました。
原状回復義務の内容は
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失。善管注意義務違反、その他通常の私用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
と定義されています。
私も一人暮らしをしていて、実際に住んでいる家の不動産仲介業者に具体的な例を聞いてきましたので、参考にしてみて下さい。
借主の負担になるパターンの一例
不注意による破損など
食べ物のカスや飲みこぼしによるカーペットのシミや、冷蔵庫を運んだ際にできたキズなど、借主の不注意による破損や落ちない汚れは借主の負担になる可能性があります。
フローリングの大きな傷
私の担当者が実際に遭った出来事だそうですが、フローリングの上に自動車のタイヤを置いて放置していて、タイヤの跡がフローリングに付いてしまったそうですが、この様に借主の過失によりフローリングに大きな傷を付けてしまった場合は、修繕費用を負担しなければいけません。
穴
壁やフローリング、ふすまや畳など空いた穴に関しても借り主が修繕費用を負担しなければいけません。
よくあるのが、カレンダーや時計を固定する際に使用する画びょうなどによる釘穴です。小さなものであればほぼ問題ありませんが、大きな時計など重量物を固定する際は、それなりに大きな穴を開けて固定している方もいますが、あまりに大きいと修繕の対象になります。
設備の破損
故意や不注意による設備（シャワーや洗面台、ドアや窓など）の破損に関しては、借主が修繕費用を負担しなければいけません。
貸主の負担になるパターンの一例
フローリングの細かな傷
私も実際に一番気になっていたことなので、真っ先に聞いた項目ですが、フローリングに直にキャスター付きの椅子を置いていた場合、キャスターの傷があちこちに付きますが、それぐらいの細かな傷であれば、借り主が負担することはありません。
壁の黄ばみ
私はタバコを吸わないので経験がありませんが、タバコの煙で壁が黄ばんでしまうことがありますが、これは自然になった劣化に当てはまりますので、借り主が負担することはありません。
また、フローリングや畳の色落ちでも同じ考えです。
設置跡
テレビや冷蔵庫などずっと同じ場所に置いていたら、設置跡が付いてしまいますが、その程度であれば修繕費を負担することはありません。
普通に生活していれば修繕費用を支払うことは無い
私が契約している仲介業者の担当者の話では、8～9割の方は、追加で修繕費用を支払うことなく退室しているので、普段の手入れをキチっとしていればほぼ大丈夫です。