近年、日本でも人気のシェアハウスとゲストハウス。現代社会のライフスタイルにあわせて様々な目的をもった利用者が集まり、今話題になっています。
しかし、シェアハウスとゲストハウスの違いについてよく分からず、疑問に思っている方も多いのではないのでしょうか。今回は、シェアハウスとゲストハウスの概要と相違点、またそれぞれの人気の秘密の違いを説明します。
シェアハウスとゲストハウスの仕組みと共通点
シェアハウスとゲストハウスは一部を除いて双方とも基本的に敷金・礼金・仲介手数料が不要であり、保証人がいらない賃貸住宅のことを意味しています。
それぞれの運営は個人事業主や、企業が行っていたりと様々であり、運営をする側の都合の良い方の呼び方を使っているケースが多いことがほとんどです。よって、明確にシェアハウスとゲストハウスの定義は決まってはいませんので、ゲストハウスと名乗っていても中身はシェアハウスに近かったといった場合もあります。
しかし、シェアハウスとゲストハウスの微妙な違いと線引きはきちんとあって、簡単に説明すればシェアハウスは賃貸の居住場所の提供であり、ゲストハウスは旅館業に近しいものであるととらえれば分かりやすいでしょう。
ただし両方とも、基本的にリビングやキッチン、シャワー・お風呂等については住んでいる人同士で共有して使用しなければならず、他者と生活を共にするということは共通しているのです。どちらも同じ屋根の下で知らない人物と共に生活を行うということをまずは理解しておきましょう。
シェアハウスとゲストハウスの違い
シェアハウスとは
シェアハウスとは、言葉の通り「家」をシェアするという意味です。
居住空間を複数の人と共有して暮らし、生活を共にするスタイルの寮のようなものであると認識すると良いでしょう。
シェアハウスは「暮らす場所」であり、契約の期間が最低でも一カ月以上が必要で中期から長期に渡って契約をすることが必須です。
運営側の次第によっては、住民票をシェアハウスの住所に移すことも可能であり、公的手続きもそれによってできることもあります。
それから、ゲストハウスに比べて長期間居住するため個室のあるところがほとんどであることも特徴です。
シェアしている住人とキッチン等の共有できるスペースの分の費用を共同で負担しているのですから、例えば交通の便が良いところや、都心部等の近くであっても家賃の相場が比較的安価であることも魅力の一つです。
女性専用等の制限があるところもありますが、個室を設けているシェアハウスがほとんどのため、性別を問わずに男女共同で入居できるというシェアハウスが大半です。
外国人が入居したい場合は不可のところもあるので、要項に外国人可といったことが明記されているところを選ぶ必要があります。
洗濯機や電子レンジといった家電が運営側から既に準備されているところも多く、利用者達はそれをシェアして使用し、自分の生活を営みます。しかし、ベッドはあっても布団等の寝具類は自分で用意しなければならないことが多いでしょう。
さらに、シェアハウスには管理人はいないため、ゴミ捨てや掃除等のルールやマナーをシェアしている人達で取り決め、それに従って規則を守りながら生活をすることが重要となってきます。
余談ではありますが、シェアしている人の間でトラブルが起きてしまうと快適な生活が一転するという面もあることも忘れてはいけません。
盗難や、シェアしているうちの一人が家賃を滞納したり、恋愛トラブル等といった心配事も懸念しなければいけません。
ゲストハウスとは
ゲストハウスは、シェアハウスと違って基本的に短期間の「宿泊」をするような場所であると考えれば分かりやすいと思います。1泊からの宿泊が可能です。
ゲストハウスはキッチンやシャワー・お風呂、リビング等シェアハウスと同様に共有スペースがある他、ドミトリーという相部屋の設定があるところが特徴です。
しかし、全てのゲストハウスにドミトリーがある訳ではなく、個室でトイレもシャワーもついているようなゲストハウスもあります。ドミトリーがある場合は、二段ベッドや貴重品や私物を入れる金庫やロッカーがあるところがほとんどであり、男女別になっています。
ドミトリー設定のゲストハウスは比較的に料金がかなり安くなっているところも特徴的です。
ゲストハウスには基本的に管理人がいて、寝具の手入れや掃除は管理人が行ってくれます。布団やベッド等はありますが、洗濯機等を使用したい場合はコインランドリーのように有料になっているところが多いでしょう。
他にも歯ブラシやタオル、シャンプー等のアメニティは各自で用意しなければいけませんし、あったとしても自販機のようなもので有料になっているところがほとんどです。建物も、シェアハウスのように一戸建てやマンションを共有するのではなく、ゲストハウス仕様となっているところが多いでしょう。
特に入居に関しては国籍が問われていないところがほとんどであり、どんどん利用者が出たり入ったりするので、シェアハウスのように長期的に人間関係を深めるといった機会は少ないのも特徴です。
よって、長期的に形成された人間関係によるトラブルは比較的少ない傾向にあります。
シェアハウスとゲストハウスはなぜ人気なのか~目的に沿って選ばれる違い~
どうしてシェアハウスやゲストハウスに世間の目が注目しているのかというと、それぞれの目的によって機能的に利用される機会が増えており、需要が多くなっているからでしょう。
特にグローバル化が進んでいる現状が、シェアハウスやゲストハウスの人気の秘密のようです。
では、どのような時にゲストハウスやシェアハウスが利用されているのか簡単に説明します。
シェアハウスの場合
大学生活や独身時代に外国の人や他県の人との文化的交流を持ちたい、グローバルな勉強をしたいといった若者に人気が集中しています。
また、一人暮らしは寂しい上にセキュリティ面が不安であるという部分も加味されているのでしょう。
他にも、就職先やきちんとした居住地が決まるまでの間利用したい、仕事の都合で滞在期間が不明確でアパート契約をする程の期間はいらない場合や、ホテル代の節約といった一時的な居住地として利用する社会人が増えていることが背景にあります。
ゲストハウスの場合
旅行や観光のための数日~約一カ月以内の程度の短期滞在や他者との数多い出会いを楽しみたい方に人気です。外国人利用者が多いので、国際的なコミュニケーションの勉強の場としても良いでしょう。
また、シェアハウスに比べて契約が比較的簡単であり、気軽に利用することが可能です。ドミトリーのあるところならば格段に費用は安く済みますし、「○泊以上であれば○割引実施中」といったキャンペーンをしているところを利用すればさらにお得です。
バックパッカーの方等素泊まりでもかまわないという方にとても利用価値のあるところだといえるでしょう。
まとめ
シェアハウスとゲストハウスの意味の決まった定義はないものの、一言であらわすとシェアハウスは中期間~長期間「他者と居住するところ」、ゲストハウスは短期間を「他者と泊まるところ」だと言えるでしょう。
前述したように定義は決まっていないので、ゲストハウスと記載していても中身はシェアハウスだというところもあるので注意が必要です。
双方の共通点は、他者との出会いがあることが魅力であり、自分のライフスタイルと目的に沿って利用すればお金を節約できるだけではなく、素晴らしい人間関係も築くことができます。
シェアハウスやゲストハウスを利用する際はこの記事を参考にして選んで頂けると幸いです。