引越し業者を頼らずに、自力で引越し作業をする場合に、一番困難なのが荷物の運搬です。
荷造りや搬入・搬出作業は、自分達だけでも何とかなりそうですが、トラックに荷物を積み込んで運搬する際に何かとトラブルになりやすいです。
運搬のトラブルで最も多くて大問題に発展する可能性があるのが、荷物の落下です。
「荷物の積み方や運搬には気を付けよう」の記事の中で書いていることをしっかり守っていれば荷物の落下などの問題を引き起こすことも無いでしょうが、素人が何も考えずに作業をすると、荷物を落下させてしまい、大惨事になる可能性もあります。
荷物を落下させないためにしなければいけないことが先ほど紹介した記事を参考にしてもらうとして、ここでは、考えたくないですが、もし、車を走行中に荷物を落下させてしまった場合の処罰について考えていきます。
道路交通法によると・・・
道路交通法 第75条の10(自動車の運転者の遵守事項)には、
自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。
と、明記されています。
具体的な刑罰は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」となっています。
これは高速道路に限定しており、一般道の場合は適用されませんが、一般道の場合でも十分な注意が必要です。
事故を起こしてしまったら
道路交通法の違反では、高速道路を走行中に、物を落下した時点で処させる刑罰になりますが、落下物が原因で事故を起こしてしまった場合は、刑罰だけでは終わらず、それが原因でケガや死亡事故を起こしてしまうと、「過失運転致死傷罪(自動車運転過失致死傷罪)」に問われることになり、「7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金」に処されることになります。
これは、当然ながら一般道でも適用されます。
相手を死亡させてしまった場合は、引越しどころではありません。一生罪を償っていかなくてはいけませんし、自分の人生はおろか、死亡させてしまった相手の家族の人生も崩壊させることになります。
「これぐらいなら問題ないだろう」と楽観視してはいけません。事故を起こしてしまってからでは遅いので、引越しは余裕を持ったスケジュールを組んで、荷物の積み込み準備は万全に行いましょう。